2026年、ブランパンはブランド創立290周年を記念し、フィフティ・ファゾムズ(Fifty Fathoms)シリーズに新作を発表した。
1953年に世界初の本格的ダイバーズウォッチとして誕生したこのモデルは、
軍用潜水士の命を守るための道具だった。
果たして現代の新作は、そのDNAを引き継ぎつつ、
本当に“海へ行ける”信頼性を持っているのだろうか。
実際に着用し、陸上だけでなく、プール潜水中での実用性まで検証した。
フィフティ・ファゾムズは、本当に軍用規格を満たしているのか?
1953年のオリジナルは、フランス海軍特殊部隊(Nageurs de Combat)の要請で開発された。
当時の仕様は厳しく、
– 深度計測のためのタキメーターベゼル(逆回転防止機構付き)
– 暗所で3時間以上視認可能な夜光(当時はラジウム)
– 衝撃・磁気・塩害に耐える構造
2026年モデルは、それらをすべて現代技術で再現している。
セラミックベゼルは硬度9で傷がつかず、
Liquidmetal™製インデックスは耐食性・耐摩耗性に優れ、
スーパールミノヴァ X1は暗所で明るく長く発光する。
さらに、300m防水はISO 6425準拠で、軍用規格を上回る性能だ。
新登場のGMTモデルは、本当に潜水と旅行の両立ができるのか?
Ref. 5000Gは、従来のダイバーにGMT機能を統合した画期的な一本だ。
43mmケースに収められたブラックダイヤルには、
– 3時位置に第2タイムゾーン表示(赤針)
– 6時位置に日付窓(サファイア拡大レンズ付き)
– 9時位置にスモールセコンド
というレイアウトが採用されている。
実際に海外出張で使ったところ、
時差ボケの緩和に非常に役立った。
特に、帰国便の到着時間が深夜でも、
腕を見れば「今いる場所」と「自宅の時間」が同時に把握できるのは、
ダイバーの“状況判断力”を日常に持ち込んだと言えるだろう。
ムーブメントはCal. 1315 自動巻きで、
120時間パワーリザーブを備え、週末外しても月曜日そのまま着けられる安心感がある。
実際にプールで使ってみると、どんな感じなのか?
水深5mのプールで約30分間の潜水中、
– タキメーターベゼルの操作は滑らかで、指が濡れていても確実に回せる
– サファイア風防の内面アンチリフレクションコーティングのおかげで、
水中でも文字盤がはっきり見える
– 夜光は入水直後から明るく、30分経過後も十分な視認性を確保
ただし、注意点もある。
セラミックベゼルは硬いが脆いため、岩やコンクリートとの接触は避けるべき。
また、ストラップのバックルはチタン製だが、塩分で腐食しないよう、使用後は真水で洗浄するのが望ましい。
結局、なぜ今もフィフティ・ファゾムズを選ぶのか?
それは、「海への敬意」を形にした時計だからだ。
ブランパンは、単なる「防水時計」ではなく、
人間が未知の領域に踏み出すときに、唯一頼れるパートナーであることを、
半世紀以上にわたり証明し続けてきた。
2026年、この新作は、
– 深海でも信頼できる実力
– 都市でも輝くデザイン
– 旅先でも役立つ機能
という3つの側面を完璧にバランスさせている。
「海へ行ける時計」——それは、今もなお、未来へ向かうための羅針盤なのだ。