IWC「馬年」特別版登場。過去5年の干支ウォッチを一挙回顧
スイスの高級時計ブランドIWC(IWC Schaffhausen)は、中国旧正月(旧暦春節)に合わせた「干支特別仕様」の発表を、2012年の龍年(ドラゴン)から毎年欠かさず続けています。
この伝統は、IWCのアーカイブに中国の皇帝が19世紀に同社へ懐中時計を注文していた記録があったことに端を発しており、現在ではIWCの一大イベントとなっています。
2026年は「丙午(ヘイゴ)」と呼ばれる馬年。これに先立ち、IWCは新たな「馬年」特別版を発表しました。併せて、ここ5年間のIWC干支ウォッチの変遷を振り返ってみましょう。
1. 2026年 馬年特別版:ポルトガル系自動巻き 42「馬」
IWCが2026年馬年に選んだベースモデルは、定番人気を誇る「ポルトガル系自動巻き 42(俗称:ポルトガル・セブン / 葡七)」です。
デザインの特徴
文字盤カラー: 近年のIWC干支モデルのトレードマークともいえる「ブルゴーニュレッド(ボルドー)」を採用。光の当たり具合で、深紅から濃紫に変化するこの色は、正月の華やかさを引き立てつつ、大人の男性が着用できる「上品さ」を兼ね備えています。
正面のアクセント: 文字盤上のパワーリザーブ表示(168時間)の「0」の位置に、馬のマークが配置されています。これは通常のモデルでは「DAYS」と刻印されている位置ですが、特別版では干支の象徴で埋められています。しかし、文字盤正面は基本的にシンプルそのもの。馬の存在を主張しすぎず、「IWCらしい」大人の遊び心を感じさせます。
裏蓋の見どころ
エンブレム: サファイアクリスタルの裏蓋越しに見えるCal.52011の自動巻きローターは、金無垢で馬のエンブレムが施されています。走馬の彫刻は非常に精巧で、躍動感が伝わってきます。
ムーブメント: 2024年にアップデートされたCal.52011を搭載。ピラールトーン(Pellaton)上鎖機構を備え、パワーリザーブは168時間(7日間)。振動数は28,800振動。耐磁性能も向上しており、現代的な実用性を兼ね備えています。
2. 過去5年のIWC干支ウォッチを回顧
馬年にちなみ、直近5年間のIWC干支モデルを振り返ると、そのバリエーションの豊かさがわかります。
表格
年(干支) モデル名 特徴
2023 (兔・ウサギ) ポルトガル系自動巻き 40
(Ref. IW358315) 「ポルトガル・ミニ」と呼ばれる40mmモデル。ブルゴーニュレッド文字盤に、裏蓋のウサギエンブレムが愛らしく、女性にも人気のモデル。
2022 (虎・トラ) パイロットクロノ 41
(Ref. IW388107) ベースモデルがクロノグラフ(時計)であるため、文字盤にも「虎」のモチーフが描かれていた点が特徴。スポーティかつ力強い印象。
2012 & 2024 (龍・ドラゴン) ポルトガル・グランドデイト / ポルトガリータ
(Ref. IW371629 など) 2012年は干支モデルの記念すべき第1号。2024年は「ポルトガリータ(女性向け)」にドラゴンが登場。裏蓋のドラゴンは金無垢で、非常に迫力がありました。
2013 (蛇・ヘビ) パトフィナム Moon Phase 37
(Ref. IW459604) 唯一(?)のムーンフェイズ(月相)モデル。ヘビのエンブレムが月を這うように配置され、幻想的な雰囲気を持つ、コレクターに人気の希少作。
3. 総評:なぜIWCの干支モデルは支持されるのか?
IWCの干支モデルには、いくつかの「決まりごと」があります。
ベースモデルの統一感: どんな干支でも、ベースはIWCの定番モデル(ポルトガル、パイロット、パトフィナム)である。
カラーの統一: 2017年以降はほぼ一貫して「ブルゴーニュレッド」が採用されており、コレクションとしての一体感が生まれる。
控えめなエレガンス: 文字盤正面には干支の絵がド派手に描かれることはなく、裏蓋やパワーリザーブ表示などの「隠れた箇所」に干支が現れることが多い。これは「見栄を張らない、でもこだわりを持つ」大人の男性に好まれる理由でしょう。
結論として、
2026年の「馬年特別版」は、過去の干支モデルの良いところをすべて取り入れた「完成形」です。
「ポルトガル・セブン」という名高いベースモデルに、IWC最新の高級ムーブメント、そして干支コレクションの伝統であるブルゴーニュレッド。馬年は「成功と繁栄」の象徴とされ、ビジネスマンに最も縁起が良い干支とも言われます。
旧正月を迎えるにあたり、あるいは「7日間もの長大なパワーリザーブ」と「馬のエンブレム」に願いを託して、この一振りを手にするのも良いのではないでしょうか。
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